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ステンレスとハガネの違いとは?包丁の切れ味と味の変化を徹底比較

包丁屋によくある質問がステンレスと鋼、鉄は何が違うのか?というのがあります。そこで今回は包丁を120年以上製造している實光刃物が、ステンレスと鋼(はがね)などの違いを徹底的に調べ、検証した結果をご説明します。ステンレスとハガネでは切れ味が違うのか、どちらの包丁の方がよく切れるのか動画や写真を交えてご説明いたします。

「鉄・鋼の包丁は本当に肉・魚が臭くなるの?だからステンレスがいいの?」という疑問についても、実際の食材を切って試食した結果を加え、プロの料理人と實光刃物の砥ぎ師の検証結果をお伝えします。使用する包丁は両刃の包丁や片刃の包丁、鋼材も青紙スーパー、粉末ハイスのSG2、白紙二号、銀三鋼と様々な種類の包丁を使って検証しています。この検証が、あなたに合った最高の包丁を見つけるヒントになればと思います。

鋼(ハガネ)の包丁は繊細な切れ味が必要な場面で非常に効果的です。特に刺身や細かい作業には最適です。一方、ステンレス包丁は耐錆性が高く、メンテナンスが簡単なため、日常使いに向いています。用途に応じて使い分けることが重要です。

包丁を選ぶ際は、使用するシーンや食材に応じて選ぶことが大切です。鋼包丁は、プロフェッショナルな料理シーンや特別な料理に向いており、ステンレス包丁は家庭料理やアウトドアなど幅広いシーンで活躍します。それぞれの特徴を理解し、適切に選びましょう。

検証に使用した鋼とステンレスの包丁の紹介

ハガネ包丁(青紙スーパー) ステンレス包丁(粉末ハイスSG2)
ジョーカー牛刀包丁 Never Stain牛刀包丁

今回の検証では、鋼包丁として青紙スーパー、ステンレス包丁としてSG2を使用しました。青紙スーパーは、炭素鋼の中でも特に高品質なものであり、切れ味の良さが特徴です。一方、SG2は粉末ハイス鋼で、ステンレス系の中でも優れた耐錆性と切れ味を持っています。どちらも両刃の包丁で、天然砥石を使って丁寧に研ぎ上げました。

切れ味の検証に使用した砥石と研ぎ方

今回の研ぎには、1000番、6000番、13000番の砥石(セラミック砥石)と天然砥石の丸尾山を使用しました。

砥石#1000 砥石#6000 砥石#13000 天然砥石
セラミック砥石1000番中砥石l 實光刃物セラミック砥石13000番 天然砥石丸尾山白巣板

始めに1000番で砥いで、1000番で仕上げた包丁で切れ味の検証を行ないます。そのあと、6000番、13000番、天然砥石と同じ要領で検証をします。

【實光刃物の砥石一覧を見る】

研ぎ方は「コバ付け」と呼ばれる刃先を重点的に研ぐ方法です。各砥石を使い、順番に研ぎ上げることで、鋼とステンレスの包丁それぞれの特性を引き出しました。

鋼包丁とステンレス包丁の切れ味比較結果

研ぎ上げた包丁でコピー用紙を使った試し切りを行いました。これは包丁の切れ味を視覚的に確認するためです。紙を切る際の滑らかさや音の違いを観察することで、包丁の性能を評価しました。

研ぎ段階ごとの鋼とステンレスの切れ味比較

各研ぎ段階(1000番、6000番、13000番、天然砥石)で、鋼とステンレスの包丁の切れ味を比較しました。

#1000 ハガネ #1000 ステンレス
#1000ハガネ切れ味 #1000ステンレス切れ味

 

#6000 ハガネ #6000 ステンレス
6000ハガネ 6000ステンレス

 

#13000 ハガネ #13000 ステンレス
13000ハガネ 13000ステンレス

 

天然砥石 丸尾山 ハガネ 天然砥石 丸尾山 ステンレス
天然砥石 丸尾山 ハガネ 天然砥石 丸尾山 ステンレス

鋼とステンレス包丁の試し切りの詳細と結果

研ぎが進むにつれて、鋼の方がより鋭い切れ味を持つ傾向が見られました。紙にスムーズに入っていき、音も静かにスッと切れるようになっていました。特に天然砥石では、どちらも切れ味が良いにしても、ハガネは繊細でスムーズな切れ味、ステンレスはざっくりとした切れ味が感じられました。

切れ味比較の検証動画を見る 

鋼とステンレス包丁の切れ味の違いを徹底検証

ここからは、實光刃物が【鮨 三心】とコラボして行った切れ味の検証を解説します。どちらの包丁も切れ味が良く切りやすい包丁ですが、実際に食材の味が変わるのかということを実際の食材を切って検証しました。

検証に使用した鋼とステンレスの包丁

検証に使用した包丁

この検証では、白紙二号の鋼包丁と銀三のステンレス包丁を使用しました。どちらも高品質な材料で作られており、それぞれの特性を持っています。研ぎはどちらも同じ条件で天然砥石で仕上げをしています。

銀三 白紙二号
【至光 銀三 刺身切付】

検証に使用した包丁

【至光白 刺身切付】

至光白刺身切付包丁

白紙二号鋼包丁は、非常にシャープな切れ味を持つ一方で、錆びやすい特徴があります。銀三ステンレス包丁は、錆びにくく扱いやすいものの、鋼ほどの鋭い切れ味は期待できません。

鋼包丁とステンレス包丁で剣先イカと大間産マグロを切り分け

実際に食材を切り、切り心地と食材の味を確かめました。一流の料理人により、一流の食材の試し切りで判明した結果を解説します。今回はイカとマグをを使い検証していますが、この結果は魚だけにとどまらず、肉や野菜にも反映できる内容と考えています。

剣先イカの切り心地と味の違い

銀三(ステンレス) 白紙二号(ハガネ)
剣先イカを切る銀三 剣先イカを切る様子 白二

切れ味としては切っている際に大きな違いは無かったのですが、切り心地は鋼の方が心地良く、スッと入る感覚がありました。

ステンレス包丁で切った剣先イカの味

ステンレス包丁で切った剣先イカは、食感が滑らかで、鮮度が保たれたまま美味しくいただけます。

鋼包丁で切った剣先イカの味

鋼包丁で切った剣先イカは、食間がさらに滑らかでやわらかく、細胞の破壊が少ないため、イカ本来の旨味が際立ちます。角が立った刺身に仕上がっています。口の中ですぐにとろけてしまうほど柔らかい印象でした。今回の検証ではハガネの包丁で切った剣先イカの方が圧倒的においしいという意見でした。

大間のマグロの切り心地と味の違い

銀三 白紙二号
大間のマグロを切る様子 銀三 大間のマグロを切る様子 白二

ステンレス包丁で切ったマグロは、滑らかな切れ味で、美味しさを保ちますが、鋼包丁と比べると若干の粗さがあります。

ステンレス包丁で切った剣先イカの味

匂いを取る性質が関係しているのか、淡白な味に感じられました。

鋼包丁で切ったマグロの味

ハガネで切ったマグロの方が味が濃く感じられました。香りが感じられ、香りが際立つ深い味わいのマグロに切られています。

【味の違いが分かる検証動画を見る】

包丁によって食材の味が変わる:食材に合わせて包丁を選ぼう

今回の検証を通し、包丁によって食材の味が変わることが分かりました。一流の料理人が、最高級の食材を使用し検証した結果、鋼の方が香りが際立ち、深い味わいになり、舌触りが滑らかで柔らかい食間になることが分かりました。

一方ステンレスは淡白な味に感じられたことから、ステンレスの特性を活かして、匂いを消しスッキリと食べられる食材などに良いという結果になりました。

このように使う包丁によって変わる味を知ることで、さらに料理を楽しめるのではないかと思います。この検証をきっかけに、みなさんもお手元にある包丁で味を確かめていただければと思います。

【實光刃物の包丁一覧を見る】

 

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)
「實光刃物(じっこうはもの)」は大阪の堺で明治33年に創業し、包丁(刃物)の製造と販売をしています。一期一会の精神で、お客様との瞬間を大切に。切れ味へのこだわりを胸に、日々技術の向上に励んでいます。技術の継承と共に、将来は世界中で愛される堺包丁のブランドを築き上げる夢を抱いています。
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