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包丁の材質、SG2と銀3の違いを解説!切れ味や研ぎやすさの比較

包丁の材質、SG2と銀3の違いを解説!切れ味や研ぎやすさの比較

包丁を選ぶ際に重要なのが「材質の違い」。材質の違いは、切れ味やメンテナンスに大きな関りがあります。

特にプロの料理人や家庭で料理を楽しむ方に人気が高い素材「SG2」と「銀3」は、どちらも錆びにくいステンレス系の鋼材ですが、それぞれに特徴やメリットがあり、切れ味や研ぎやすさ、持続性などで大きく異なり、どちらを選べば良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、實光刃物研ぎ師RYOTAが、包丁の材質である「SG2」と「銀3」の違いを検証した動画を基に、切れ味や研ぎやすさ、耐久性、錆びにくさ、価格といった5つの観点から徹底比較し、それぞれの材質がどのような料理に向いているのかを詳しく解説します。動画も記事の最後にご紹介していますので合わせてご覧ください。

包丁選びは、料理の仕上がりに直結する大事な要素です。ぜひこの記事を読んで、自分に最適な包丁を見つけるヒントにしてください!

包丁選びの際に重要なポイントの一つが「材質」です。材質によって包丁の切れ味、耐久性、メンテナンスのしやすさが大きく異なるため、自分の料理スタイルや使用頻度に合った材質を選ぶことが重要です。

特にステンレス系の素材とハガネ系の素材には大きな違いがあり、それぞれに異なるメリットとデメリットがあります。ここでは、包丁に使われる材質の種類と特徴について詳しく解説していきます。

包丁材質の種類とそれぞれの特徴

包丁に使用される主な材質は、ステンレス系の鋼材、ハガネ系の鋼材があります。實光刃物で取り扱っている主な鋼材は以下の表のとおりです。他にもSPG STRIXやコアレス、VG1などのステンレス系の鋼材もありますが、取り扱いが少ないため、今回は省略しています。

ステンレス系鋼材一覧表 ハガネ系鋼材一覧表

ステンレス系の鋼材は、錆びにくく、メンテナンスが簡単な点が最大の特徴です。日常的に包丁を使用する家庭や、手入れに時間をかけたくない方には、このステンレス系の鋼材が最適です。

實光刃物で取り扱っている代表的なステンレス系の鋼材には、SG2や銀3があります。これらは、他のステンレス鋼材に比べて、より優れた切れ味や耐久性を持つ高級鋼材として知られています。

一方、切れ味の鋭さや研ぎのしやすさを重視する方には、ハガネ系の鋼材が適しています。ハガネ系の鋼材は、特に鋭利な刃を持ち、鋭い切れ味が特徴のため、プロの料理人に好まれています。

ただ、手入れをしないとすぐにサビてしまうため、使用後はすぐに洗い、水分をしっかりとふき取り、サビ止めのために油を塗って保管する必要があるため、手間がかかってしまうことがデメリットです。

包丁に使われるステンレス鋼と炭素鋼の比較

包丁の二大素材ともいえるステンレス系の素材とハガネ系の素材の大きな違いは、錆びにくさとメンテナンスのしやすさです。ステンレス系の鋼材は、クロムが含まれており、酸素と反応して錆びにくい保護膜を作ります。

このため、湿気が多い環境や、使用後にすぐに手入れができない場合でも安心して使えます。特にSG2や銀3といった高級ステンレス系の鋼材は、さらに優れた耐久性と滑らかな切れ味を誇ります。

一方、ハガネ系の鋼材は、ステンレス系に比べて錆びやすいですが、非常に鋭い切れ味が特徴です。切れ味を最重視する料理人や、頻繁に包丁を使い、メンテナンスに時間をかけられる方には、ハガネ系の鋼材が好まれています。

ただし、ハガネ系の包丁はメンテナンスを怠ると錆びが発生しやすいので、使用後は必ず適切なケアを行うことが求められます。

ステンレス系鋼材 ハガネ系鋼材
サビ さびにくい さびやすい
切れ味 良い 非常に良い
メンテナンス性 さびにくいので手間がかからない すぐにサビるので、手入れが必ず必要
おすすめな人 ・気軽に料理をしたい人
・忙しいのでメンテナンスに時間を取られたくない人
・切れ味にこだわりがある人

・包丁研ぎなどのメンテナンスもしっかりやりたい人

おすすめの材質 SG2
銀3鋼
白紙2号
青紙2号

SG2と銀3の違いを徹底解説

【至光 SG2】刺身切付包丁 【至光 銀三】刺身切付包丁
【至光SG2】刺身切付包丁 至光銀三刺身切付包丁

SG2と銀3は、どちらもステンレス系の鋼材として高い人気を誇る素材です。實光刃物でも、ステンレス系の鋼材として「SG2」と「銀3」をおすすめしており、見た目には大差なく、どちらも切れ味がよく、錆びにくくて使いやすい鋼材です。

SG2とは、粉末ハイス鋼を使用した高級鋼材で、非常に微細な金属組織を持つのが特徴です。そのため、非常に高い硬度と滑らかな切れ味を発揮し、プロの料理人や包丁にこだわる方から高く評価されています。また、耐錆性にも優れているため、錆びにくさが求められる環境でも安心して使用できる点が魅力です。

銀3とは、日本製のステンレス系鋼材で、研ぎやすさと扱いやすさが特徴です。SG2ほど硬くはないため、初心者や手軽にメンテナンスしたい方に適しています。錆びにくい点でも評価が高いものの、SG2に比べると若干錆びやすい部分がありますが、日常的に使う包丁として非常に優れています。

【SG2についてのブログ記事も合わせて読む】

ここでは、切れ味、研ぎやすさ、錆びにくさ、耐久性、価格の観点から、SG2と銀3の違いを5つに分けて詳しく解説していきます。それぞれの特性を理解し、自分に最適な包丁選びの参考にしてください。

切れ味の違い—SG2 vs 銀3

銀3よりSG2の方が勝る

SG2は、非常に微細な金属組織を持っているため、滑らかで繊細な切れ味を発揮します。特に、仕上げ砥石や天然砥石を使って仕上げた際には、他の鋼材に比べて非常に滑らかな切れ味を感じやすく、刺身や薄切りなど繊細な作業に適しています。食材への刃の食い込みが良いため、食材を潰すことなく美しく切ることができます。

一方、銀3は金属組織がやや粗いため、SG2ほどの滑らかさはないものの、十分な切れ味を持っています。特に日常的な調理作業においては、銀3の切れ味は問題なく、快適に使用できます。

砥ぎやすさにも関わってきますが、銀3は砥ぎやすいため、様々な食材を切ってもその後の包丁研ぎが容易なため、気にせずたくさん使うことができます。ただ、細かい仕上げを要求される作業には、鋭く繊細な刃がつくSG2の方が適しています。

研ぎやすさの違い—SG2 vs 銀3

SG2より銀3の方が勝る

研ぎやすさでは、銀3がSG2よりも優れています。銀3は柔らかめの金属組織を持っており、どの砥石でも削りやすく、特に初心者や手軽に包丁をメンテナンスしたい方には適しています。荒砥石でも細かい仕上げ砥石でも、スムーズに刃を研ぐことができ、短時間で切れ味を取り戻せます。

使用する砥石も荒砥石から始めなくても、1000番くらいの中砥石から始めて、その後すぐに仕上げ砥石で研いでも問題ありません。

対照的に、SG2は硬度が高いため、研ぎにくい鋼材です。1000番から始めてしまうとあまり砥げないため、400番くらいの荒砥石から始めることをおすすめします。刃が付きにくいからと言って、研ぎの際に刃先を立てすぎると刃先が分厚くなり切れ味が悪くなるため、細かい技術が求められます。

特に仕上げ砥石を使う場合、刃が付きにくく感じることがあり、段階を踏んで研ぐ必要があります。1000番から3000番、6000番、10000番、13000番と進めていくことをおすすめします。

【砥石の選び方はこちらの記事で詳しく紹介】

錆びにくさの違い—SG2 vs 銀3

銀3よりSG2の方が勝る

錆びにくさでは、SG2の方が優れています。SG2は耐錆性が非常に高く、多少放置してしまっても錆びにくい鋼材です。湿度の高い環境や長時間の使用後も、安心して使うことができます。そのため、忙しい調理環境や家庭での使用にも向いています。

 

一方、銀3はステンレス系の鋼材ですが、SG2に比べると錆びやすい傾向があります。特に使用後に食材の残りや水分を放置してしまうと、錆が発生しやすいです。銀3を使う際は、使用後にすぐに洗い、水分をしっかりと拭き取ることが必要です。

ただ、どちらも錆びにくい材質ではありますので、神経質になる必要はありません。しかし、食材がついたまま放置したり、水の中につけっぱなしにしたりしてしまうとどちらもサビますので、気を付けなければなりません。

耐久性(切れ味の長持ちの度合)の違い—SG2 vs 銀3

銀3よりSG2の方が勝る

耐久性に関しては、SG2の方が優れています。SG2は硬度が高いため、切れ味が長続きしやすく、一度研いだ刃は長時間使用しても鈍くなりにくいです。そのため、長時間の作業や多くの食材を一度に処理する場合に向いています。

一方、銀3は柔らかい材質のため、切れ味が落ちやすいです。日常的な使用では頻繁に研ぐ必要がありますが、その分、研ぎやすさというメリットがあり、定期的なメンテナンスで簡単に切れ味を復活させることができます。

価格の違い—SG2 vs 銀3

SG2と銀3はほぼ同じ

価格の面では、SG2と銀3に大きな差はありません。實光刃物では、両方ともほぼ同じ価格帯で販売されています。ただし、包丁の仕上げや柄のデザイン、その他の付加価値によって価格が変わることがあります。

例えば、特別な仕上げやカスタム仕様のものは、銀3の方が高くなる場合もあります。しかし、全体的に見て、材質そのものの価格差はほとんどないため、どちらを選んでもコストパフォーマンスに大きな違いはないと言えます。

【SG2と銀3の違いについて動画で見る】

包丁の選び方—用途に合わせた材質の選択

包丁選びで大切なのは、使う目的や用途に合わせて適切な材質を選ぶことです。SG2と銀3はそれぞれ異なる特徴を持ち、特定の用途や好みに応じてどちらが適しているかが決まります。

ここでは、SG2、銀3をおすすめする人について、またおすすめの實光刃物の商品をご紹介します。

切れ味を重視するなら【SG2】

包丁を使う際に、常に滑らかでシャープな切れ味を求めるのであれば、SG2がおすすめです。SG2は粉末ハイス鋼材の一種で、非常に微細な金属組織を持っており、研いだ後の刃の滑らかさが他の材質に比べて優れています。

このため、刺身を薄く切るような繊細な作業や、食材に刃がスムーズに入るような調理には最適です。SG2の切れ味は非常に長持ちし、研ぐ回数を減らしたい方や、料理における細かな作業を重視する方に向いています。

【至光 SG2】刺身先丸包丁

至光SG2 刺身先丸包丁

 

【至光 SG2】刺身切付包丁

【至光SG2】刺身切付包丁

 

【arata SG2】和牛刀

arata SG2和牛刀

切れ味を重視するなら【SG2】

研ぎやすさを重視するなら、銀3が最適です。銀3は硬度が高すぎないため、比較的柔らかい金属組織を持っており、荒砥石から仕上げ砥石までスムーズに刃を研ぐことができます。研ぎの際に刃が付きやすく、簡単に切れ味を取り戻すことができるため、頻繁に包丁をメンテナンスしたい方にとって非常に便利です。

また、銀3は初心者でも扱いやすく、プロの料理人だけでなく、日常的に包丁を使用する方にも人気があります。特に日常的な料理で頻繁に使用する包丁として、手軽にメンテナンスできる点が大きなメリットです。

【刃 Yaiba 銀三】片刃切付牛刀

Yaiba銀三 片刃切付牛刀

 

【銀座 銀三鋼】片刃切付牛刀

銀座 銀三鋼 片刃切付牛刀

 

【祇園 銀三】片刃切付牛刀

【祇園 銀三】 片刃 切付三徳

初心者におすすめの材質はどれ?

包丁初心者には、【銀3】がおすすめです。銀3は研ぎやすく、メンテナンスがしやすい点が大きな理由です。

初心者が初めて包丁を手にすると、どうしても切れ味の維持やメンテナンスが難しく感じることがありますが、銀3はその点で非常に扱いやすい鋼材です。研ぐ際も多くのステップを必要とせず、中砥石と仕上げ砥石を使うだけで十分な切れ味を取り戻すことができます。

一方、SG2は硬度が高く、研ぐ際にテクニックが求められるため、初心者には少し難しいかもしれません。

初心者の方が忘れてはいけないのは、信頼できる包丁屋を選ぶことです。包丁は購入する時だけでなく、その後のメンテナンスや困った時に必要な存在です。自分で研いでも切れ味が戻らなくなってしまった場合や大きな欠けなどができて自分で研ぎができない場合など、相談できる場や研ぎをお願いできる職人がいることは大変心強いことです。

【至光 銀三】刺身先丸包丁

至光銀三刺身切付包丁

 

【至光 銀三】切付出刃包丁

至光切付出刃包丁銀三鋼

 

【銀座 銀三】刺身切付包丁

銀座 銀三 刺身先丸包丁

 

【銀座 銀三】切付出刃包丁

銀座銀三切付出刃包丁

SG2と銀3、それぞれの特長を活かして最適な包丁を選ぼう

SG2と銀3はどちらも優れたステンレス鋼材ですが、それぞれに特徴があります。SG2は切れ味が持続しやすく、特に繊細な作業や長時間の使用に向いています。一方、銀3は研ぎやすさが魅力で、頻繁にメンテナンスを行う方や、あらゆる食材を気軽に切りたい方におすすめです。

このように、包丁の材質を詳しく知ることで、自分に合った包丁を選ぶことができるようになり、より快適に包丁を使用し、正しいメンテナンスができるようになります。

ぜひ、自分のライフスタイルや料理スタイルに合った包丁を選び、長く愛用できる1本を見つけてください。

SG2と銀3の違いについて、動画でもご説明しています。ぜひブログと合わせてご覧ください。

銀3とVG10についての違いを解説した動画もご用意しています。是非合わせてご覧ください。

實光刃物では、様々な鋼材を使用した包丁をお造りしております。刺身包丁・出刃包丁などの和包丁から牛刀や三徳包丁の万能タイプの包丁、牛刀や筋引きなどの洋包丁もございますので、お探しの包丁がございましたら、一度ホームページをご覧ください。

【實光刃物の包丁一覧を見る】

 

 

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)
「實光刃物(じっこうはもの)」は大阪の堺で明治33年に創業し、包丁(刃物)の製造と販売をしています。一期一会の精神で、お客様との瞬間を大切に。切れ味へのこだわりを胸に、日々技術の向上に励んでいます。技術の継承と共に、将来は世界中で愛される堺包丁のブランドを築き上げる夢を抱いています。
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