【宿儺かぼちゃと出刃包丁が並ぶファーストカット】
お世話になっている方から、珍しいかぼちゃを紹介された。
宿儺かぼちゃーすくなかぼちゃ。岐阜県高山市で生産されているらしい。
初めてみるその姿に圧倒された。みたことがない。
「デパ地下とかで売ってるの?」
その姿は糸瓜ーへちまのようである。長くてツルツル。一般的に、ほくほく感と強い甘味が特徴らしい。とはいえ、その方曰く。日本系のカボチャは西洋系のカボチャと違ってねっとりしているのが特徴だという。その話も初耳。よって、たっぷりの出汁と炊き合わせるのがいいという。
長さを測ると50センチ。しっかりとした重みを感じる。これは出刃の活躍が十分期待できそうじゃないか!
鋼のしっかりとした重みでガツンと。出刃は魚を捌くためだけに存在するのではない。鋼の出刃で硬い皮を切り美しい断面に仕立てる。根菜などにも適している。
みしみしと心地いい音。どんどん吸い込まれていく鋼の包丁を押す手にも力が入る。まな板に出刃が着地した途端、かぼちゃが美しい体を見せた。
ある程度の大きさに揃えて切ったら、今度は三徳包丁に切り替える。断面の角を潰さずにピンと角を立たせて切ることで出汁の旨みを奥までしみ込ませる。
鶴首系のかぼちゃは皮が薄い。よく切れる鋼の三徳包丁であれば、薄く皮を剥くことが可能だ。
所々皮を剥くことで、より味をしみ込ませることができ、炊く時間が減るので、煮崩れも防ぐ。身が柔らかいので火の通りが早い。それぞれ角が立ったままの姿を保っている。
この辺りは三徳包丁で作業する方が小回りがきいて楽だ。
鋼という日本古来の包丁があるだけで、食材の価値を十二分に引き出すことができる。初めて挑んだ宿儺かぼちゃも出刃との格闘を喜んでくれているはず。
たっぷりの出汁で炊き、合い挽き肉あんかけをまとった姿は煌びやかでキラキラと光って見えた。ほくほくというよりかはしっとりと水分が多めの肉質に感じられた。ツルの先の方に開花して結実したものは旨みも減るらしい。
そのような条件を抱える野菜でも、よく切れる包丁があれば、欠点を補うことが可能であり美味しくいただくことができる。




