實光がステンレス系で製造している鋼材は、片刃包丁と両刃包丁で異なります。
両刃包丁に使っている鋼材の種類
- SG2
- コバルトスペシャル
- 銀3(≒VG1)
- VG10
片刃包丁に使っている鋼材の種類
- 銀3(≒VG1)
ステンレス系の刃物用 鋼材とは
一般的なステンレス鋼は切れ味が良くないと思われがちですが、刃物用で作られたステンレス系の鋼材はサビにくくて、切れ味が良いです。また、ステンレス系の鋼材でもハガネ系の鋼材と同じように研ぐことが出来ます。
一般的にステンレスの鋼材は、炭素(刃の硬さ、切れ味を表す要素)をあまり含んでいないので柔らかめの物が多くかなりサビにくいです。刃物用のステンレス鋼材は、炭素を多く含んでおり、一般的な物よりも格段に硬くなります。しかし、炭素を多く含むことで少しサビやすくなります。
硬さ≒切れ味・持続性
一般的なステンレス鋼は柔らかいので研いでも切れ味の良い刃が付きにくいですが、刃物用のステンレス鋼材は、硬いので研ぐことで良い切れ味にできます。
基本的には硬ければ硬いほど切れ味が良くなります。また、切れ味の持続性(切れ味が長く続く事)も鋼材の硬さが硬いほど良くなります。
例えば、100均のステンレス包丁は鋼材が柔らかいので、切れ味がすぐに悪くなります。ですが、刃物用のステンレス鋼材は硬いので、切れ味の持続性が優れています。
硬さの比較
SG2>VG1(≒銀3)> コバルトスペシャル > VG10
研ぎやすさの比較
ステンレス系の鋼材はハガネ系の鋼材と比べて研ぎにくいです。なぜなら、ステンレス系の鋼材はサビにくい反面、サビにくくする成分を含むことで、研ぎにくくなります。
また、ハガネ系の鋼材の場合は硬さが硬いほど研ぎにくくなりますが、ステンレス系の鋼材は含まれている成分や製法により研ぎやすさが変わります。
研ぎやすさの比較
VG1(≒銀3)> コバルトスペシャル ≧ VG10 > SG2
サビにくさの比較
ステンレス系の鋼材は含まれている成分の量によってサビにくさが異なります。
サビにくさの比較
コバルトスペシャル > SG2 > VG10 > VG1(≒銀3)
ステンレス系 鋼材別 比較表
ステンレス系の鋼材別の特徴をまとめて比較しています。
- SG2
- 切れ味と持続性が最も良い鋼材
- コバルトスペシャル
- 最もサビにくい鋼材
- 銀3(≒VG1)
- 切れ味と研ぎやすさのバランスが取れた鋼材
- VG10
- ステンレス系の標準的な鋼材
