堺刃物とは
大阪、堺の堺刃物は家庭用包丁としては知らない人も多いですが、和包丁を使用する料理人の中では「堺刃物」を知らない人はいないでしょう。
堺刃物は出刃包丁や刺身包丁などの片刃包丁が有名で、その切れ味と品質の良さ、職人の技術力の高さが料理人に認められています。
ここからは「堺刃物」の歴史より、その切れ味の秘密を解明していきます。
堺刃物年表
年代 | 包丁の歴史 |
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弥生時代 | 集落があり、道具として「石包丁」が使われていた。 大阪堺にある世界最古の前方後円墳、仁徳天皇陵を作るための道具として使われていたと考える |
戦国時代 | ポルトガルから鉄砲が伝来。鉄砲の産地として堺が有名になり、鍛冶の技術が高まる |
江戸時代 | たばこの刃を刻む「たばこ包丁」が徳川幕府の専売になり、堺の刃物が全国的に有名になる |
現在 | 和包丁の全国シェア90%以上、世界的にも有名な切れ味を誇る包丁を製造 |
たばこ包丁とは
日本にタバコが入ってきたのは安土桃山時代、嗜好品としてパイプや葉巻で喫煙する形で日本に伝えられました。
その後、キセルの状態で喫煙されるようになり、刃を細かく刻んで作る刻みたばこになり、日本全国に広がるようになりました。
当初は輸入された葉・刃物が使われていましたが、江戸時代初期にはタバコ葉が国内で栽培されるようになり、たばこ包丁の製造も始まったと言われています。
江戸時代には民衆の中でも「刻みたばこ屋」がみられ、たばこは大衆の物になっていきました
幕府に愛された堺のたばこ包丁
たばこ包丁はたばこの葉を細かく刻むと、よりマイルドで日本人好みの味わいになることから、切れ味の良いたばこ包丁が求められたようです。
堺のたばこ包丁は切れ味がよく、包丁の高い品質が江戸幕府に認められ幕府の専売品となりました。
幕府に「堺極」という刻印を入れることが認められた包丁は、全国的に有名になり堺包丁の名前を日本中に広めるきっかけになったと言われています。
堺包丁は料理人から絶大な人気
出刃包丁や刺身包丁などの片刃包丁を見ていくと「堺刃物」の良さが分かるので、見ていきましょう。
分業制度
堺の包丁は分業制で鍛冶、研ぎ、柄付けに分けられています。また、それぞれに一流の職人がいて、その品質を高く保っています。
それぞれの専門分野を職人が次世代に付け次ぐことによって堺刃物は続いてきました。
高い品質を持つ職人が1本1本手作りで作り上げているので、切れ味が良く、耐久性も高い包丁が出来上がるのですね。
それぞれの工程でしている作業は次の通りです。
鍛冶 | 刃金を炉で熱し、ハンマーでたたき成形します。10以上の工程があり、そのたび高温の炉で刃金を熱して、何度もたたいて鍛えていきます。 そして包丁の形にした「地」を仕上げます。 |
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研ぎ | いくつもの砥石を使い刃を研いで切れる状態に仕上げていきます。包丁の種類によっては10種類以上の砥石を使い分けて研ぐこともあります。これらの工程を「刃付け」と言います。 |
柄付け | 刃付けされた刃にハンドルを付ける作業です。ハンドルに差し込む部分を熱して、ハンドルに差し込み、歪みを整えます。一般人が見ても分からない歪みを最終調整することで、切れ味が長く続く品質の高い包丁が仕上がります。 |
實光刃物の和包丁
實光刃物は600年の歴史を持つ堺刃物を100年以上造り続けている包丁専門店です。
購入後も研ぎや修理などのアフターサービスもお伺いできるので、本格的な和包丁は初めてという人にも安心です。
また、金額的にも1万円台〜10万円越えまで、様々な金額帯の包丁を取り揃えています。
あなたに合った最高の包丁を是非お選びください。